執事に向いている人/向いてない人

就いてみるまでは謎に包まれていた執事という仕事。しかし、だからと言って特殊な適性や専門スキルが必要というわけではありません。

もちろん漫画やアニメに出てくるような予知能力があるかのような超有能執事の方もいらっしゃるのかもしれません。

しかし私のような平凡執事も存在しているわけです。先日も書きましたが、私自身は庶民です。

どのくらい続けられるかは未知数ですが、少なくとも平凡で庶民なスペックでも『執事になること』はできました。

そこで『私の考える執事に向く人/向かない人』を書いてみたいと思います。

  • スペックで自慢できることがない
  • 人に誇れるスキルがない
  • 向いている仕事がわからない
  • どの仕事をしても『これ!』というハマる感じがない
  • サービス業は好きだが、今の職場が合わず転職を考えている。

こんな方に参考になると嬉しいなと思います。

執事に向いている人

私が考える執事に向く人はこんな人です。

器用貧乏な人

器用貧乏とは

どのようなことでも一応はじょうずにできるため、かえって一つの事に集中できずに終わること。いろいろの事に手軽に役立つため、かえって大成しない様子。また、その人。

(引用 コトバンク 器用貧乏

これはあまり誉め言葉として使われることが少ないと思います。私自身、何かに特化してできることというのはほとんどありません。

しかし裏を返せば大抵のことはそれなりにこなせるのです。

ドラクエ3的に言えばレベル20くらいまではすぐ上がるので転職はできるが、レベル25くらいから必要経験値が増えすぎて全然育たない、だからラスボスには結局連れていけないよね、というような感じでしょうか。(ドラクエ3わからない人はすみません。)

そして器用貧乏な人というのは『自分が器用貧乏である』ということを認識している人が多いように感じます。最初から自分を信じすぎず、何か困ったときはプロを手配すればよい、という考えのプロセスになりやすいのではないかと思います。そのため、執事という仕事において器用貧乏というのはメリットになりうると思います。

サービス精神旺盛な人

どのようなサービス業にも営業時間、マニュアルなどの『縛り』が存在します。

この『縛り』をどのくらい無視できるか、ということが重要です。

  • 開店時間前でも客様が来たり並んでいて、開店準備が終わっている状態ならすぐ案内する。
  • サービスに不備があった場合、次のお客様が来る時間ギリギリまでその不備に対して対応する。
  • 急いでいる方がいたらほかの方に説明した上でその方を優先する。
  • 何かのキャンペーン等あったら前倒し適用、もしくはお会計前に説明する。

など。

これらの行動はきちんとお客様を考えての行動してくれている、と主人は感じ取ってくれたようでした。

もちろん、お店のシステム的に無理なものや自分の裁量を超えるようなものはやらないほうがいいと思います。

しかしシステム的に無理な理由がなく、自分に許された裁量の中でできることであればマニュアルは無視していいと私は考えます。

この意図的なマニュアル無視が私のヘッドハントされるきっかけになりました。

調べ物が好きな人

日常的に様々なことを仰せつかりますが、その中でも多いことのひとつが調べものです。

ホテルの空き状況、レストランの予約状況、お店の営業時間、飛行機のフライト時間、海外渡航制限の最新情報、パソコンやスマホなどの不具合や故障について、〇〇〇への想定移動時間など。

調べれば誰でもわかることだけれど調べることが面倒くさい、というようなものを調べることも私の仕事です。

しかしこの『調べる』という行為は割と好き嫌いが分かれるように思います。実際妻は『調べること』が苦手です。

私は調べることが好きなため、日常的にいろんなことを調べています。そのためなのか、ある程度調べるスピードが早いようです。

主人を含めお金持ちの方というのは時間を大切にする方が多いので、このような雑事をスピーディにこなせるというのは良い評価につながることが多いのです。

感情の波が少ない人

昔、『機械みたいなやつだ』と揶揄されたことがあります。あまりその自覚はなかったのですが、仕事仲間からは冷たいと思われていたようです。

あまりこのことがプラスに働いたことはなかったのですが、いまの主人からは

主人
主人

ひとそれぞれ、大変なことはある。

しかしそれを一々感情に出す人といると疲れてしまう。

その点において君は浮き沈みがないね。

という評価を頂きました。良い評価、ということとして受け止めています。

感情的な方が周りに多い主人だったので、プラスに働いたというだけかもしれませんが。

素直な人

どの仕事でも素直さというのは重要視される点だと思います。私自身、どの仕事に就いてもこの点に関しては高評価を得ることが多かったです。

しかし半年、1年と仕事を続けていく中で突出したようなスキルや強みが身に着かなかったのでそのうちに『素直さだけあってもねぇ…』とマイナス評価へ転落、というような感じでした。

執事になってから、主人から勧められた本や映画をすぐ読む・観る。主人の趣味や最近始めたことを調べ勉強する、というようなことを続けているとだんだん話が合うようになってきます。

主人は話をしながら自分の考えをまとめることをするため、そうして話相手になれるということは重要なようでした。

虫が平気な人

お金持ちの方の家には大抵庭があります。

そして庭があるということは植物があり、土があります。そうすると必ず虫がいるわけです。

必須スキルではないですが、大丈夫な人のほうがストレスが少ないかなと思います。

私は庭の害虫駆除をよくしています。

執事に向かない人

次は逆に向かない人です。

これは私が考える人、まわりで執事・アシスタントをしていたけどすぐやめてしまった人たち、主人が好まない人たちの特徴などです。

マニュアルを守ろうとする人

マニュアルは絶対!ルール順守!という方は向かないかもしれません。

というのも、そもそも執事の仕事にマニュアルが存在しないからです。

どんな方にお仕えするか、ということで仕事内容が変わります。また私は執事をしていて、毎日同じ仕事をするということがありません。

主人の予定がまず第一です。イレギュラーな予定が入ればそのために行動します。そのため自分が予定した段取り通りに仕事が進むことはまずありえません。

予定は未定なのです。

マニュアル通りに仕事がしたい、仕事をルーチンワーク化したいという人はストレスになるので向かないと思います。

目立ちたい人、話したがる人

執事の仕事はサポート、お手伝いです。メインプレイヤーは主人です。

自分がスポットライトを浴びたい方というのはこの仕事をしてもストレスになるでしょうし、おそらく主人のような方に嫌われます。

そういう方は自分がメインプレイヤーになれる仕事をされたほうが輝けると思います。

また私の主人を例に取ると、話したがりの方も向きません。

話相手になるというのも私の仕事のひとつです。しかしそれは主人のアウトプット先になる、ということです。

主人は話すことで、自分の考えをまとめたり何か覚えたことを脳に焼き付けるということをしますので、そこに私が話をすることは不要なのです。

むしろ、そのときに話かけると思考の邪魔をすることになるため『自分も話したい』と思い方は向かないでしょう。

感情の浮き沈みが激しい人

これは向く人のパートでも書きましたが、このような方と長時間過ごすのは疲れますよね。

執事は主人をサポートのために、長時間一緒にいます。それこそ家族よりも一緒にいる時間が長いかもしれません。

そんな人が情緒不安定だったり、感情の落差がある方だったら落ち着きませんよね。

家族なら仕方ない、と思えるかもしれませんが、そんな執事いたらすぐクビにされると思います。

最後に

いかがだったでしょうか。

意外と向く人に当てはまる方も多いのではないでしょうか。

もちろんトップの執事になるためにはこの程度では無理だと思います。何か国語も話せたり、学歴がすごかったり、予知能力があったり、物音を立てずに移動できたり。

そんな超人的なスキルが必要なのかもしれません。

しかし今回はあくまでも私のような平凡な執事を基準にした『私の考える執事に向く人/向かない人』だと、こんな感じですよというお話です。

私自身、執事になってみるまでは『執事というのは超人じゃないとなれない』と思っていました。

しかし私が就くことできたことから、凡人でも執事の世界に踏み入ることができるということが証明されたかと思います。

数は少ないと思いますが、もし執事になるチャンスに巡り合うことができた方は一歩踏み出してみてください。

とてもやりがいのある楽しい仕事ですよ。

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