執事という仕事、自分で就いてみるまでは謎に包まれた仕事でした。執事という仕事が実在するとも思っていませんでした。
仮に実在したとしても、そもそも『どうやって執事になるのか?』ということが一番の謎でした。
そこで日本における正規?のなり方と私が執事になった裏技的なルートと執事に転職するために必要なこと4選をご紹介します。
この記事はこんな人向けかもしれません。
- サービス業をしていて、転職を考えている
- サービス業は好きだが、ブラックには行きたくない
- 執事になりたい
- 執事になるために必要なことが知りたい
- 執事をやっている人がどんな人か気になる
この記事を読むことで、サービス業で転職したい人、執事になりたい人の一助となり、日本に執事という仕事が増えればうれしいです。
必要なこと4選
- 教養を磨く
- スペックよりも柔軟な対応力
- 謙遜をしすぎないこと
- 返事が早いこと
ちなみにこの方法で一番大事なことは返事が早いことです。
ではどうぞ。
簡単なプロフィール
まず私の簡単なプロフィールです。プロフィールと言っても私自身は平凡な庶民なので特筆すべきことがありません。両親や妻など親しい人も全員庶民です。
年齢は現在30代前半、身長は165cm前後です。両親とも、サラリーマンの中流家庭に育ちました。
公立の小中学校に入ってその後、高校受験に失敗したので滑り止めの私立高校へ。大学は短大に入りました。
短大卒業後は営業職へ。2~3年ほど勤め、いろいろあって転職し飲食業へ。拘束時間や労働量的にこのまま続けられないと思い転職。次にサービス業に勤めました。
転職多めの一般人という感じでししょうか。
その後は、いまの主人と出会い、執事になりました。
スキル的には
- 一般的なパソコンスキル
- 英会話なんてできないレベルの英語力
- 運転スキル
- 営業やサービス業で培った営業スマイル
- 飲食業で付けた体力
- なんでもやるけど、突出はしない器用貧乏さ
くらいでしょうか。
ちゃんとした執事のなり方
ここに書いていくのは私流、というくらいなので裏技的な方法だと思ってください。
これをしたからと言って必ずなれるわけでもないですし、正統派の人からしたら怒られそうな気もします。ただ、実際私はこのやり方で現在執事として主人に仕えています。
そんな裏技的な方法をいきなり書いていくのもどうかと思いますので、正統派のなり方もご紹介します。
養成学校への留学等ハードルが高そうです。少なくとも私は英語が得意ではないので、このルートは無理でしょう。
またこういった執事サービスを行っている会社への就職もいいのではないでしょうか。
こちらは応募条件そのものはそこまで厳しくないですが、優遇条件が『海外のバトラー養成学校を卒業し、3年以上のバトラー経験を有する方、TOEIC900点以上』とのこと。これも無理です。
とんでもなくハードル高い気がします。たしかにこれを潜り抜けた執事の方々は漫画のような完璧超人な気がします。
執事にもピンキリいるということですね。
私流執事のなり方
さて本題です。そしていきなり結論。それはヘッドハントされることです。
いきなり運ゲーです。すみません。
ただ、私はこれで執事になっているので先ほどの高いハードルを越えるよりは現実的ではないでしょうか。
私がこの仕事へ誘われたときは、実際に私以外にも声をかけている方がいたそうです。後日その方々に会ってみましたが、私なんかよりも皆さんのほうがスペックも社会的地位も高かったです。
ちなみに、ほかの方々は一流ホテル関係の方や、リラクゼーションサロン、美容室など様々ですがサービス業の方が多いようでした。
そのあたりのお仕事をされている方には意外とチャンスがあるかもしれません。
ではヘッドハントを受けるために必要なことはいったい何でしょうか。
ヘッドハントを受けるために必要なこと
教養を磨く
そもそも、数人声をかけた中に私がなぜ入れたかというと、話題性が合うことが挙げられるかと思います。
海外の上流階級層ではバレエ、オペラ、クラシック、美術などのことは一般教養のようです。子供のころに親と一緒に観覧しにいくことが多いのだとか。
私は中流家庭に育っているので、幼少期に文化的教養が磨かれたわけではありません。また妻も芸術的な素養があったわけではなく、ただの会社員です。趣味で美術館に行ったりバレエを見たりするくらい。しかし社会人になってから、妻の影響もあり美術館やバレエを見ることが増えました。
いまでこそバレエや美術などの好みというものも出てきましたが、見始めた当初は良さがさっぱりわかりませんでした。
しかしそれでも妻の解説を聞いたりパンフレットを読むうちに多少の知識は付いてきます。詳しく話せなくても単語はわかる、といったくらいの状態です。
例えば、有名なシェイクスピアの四大悲劇(『ハムレット』『オセロー』『マクベス』『リア王』)を知っていて、そのあらすじを説明できるというくらい。
しかしこれくらいでも珍しいことだったらしく、主人との話題のきっかけにはなりました。そのことがきっかけで主人とはよく話をさせていただけるようになり、気に入られる要因のひとつになったのだと思われます。
スペックよりも柔軟な対応力
私が主人と出会い、ヘッドハントされたのはとあるサービス業をしているときでした。
お世辞にもその職場でナンバーワンプレイヤーだったとは言い難い私でした。むしろ真ん中くらいではないかなと思います。
しかし、なぜ私に声をかけてくださったのかというのを主人に聞いてみたところ

きみは私の要求に対して柔軟に対応してくれた。
どんなことに対しても「できない」とは言わず「やってみます」と答えてくれたからだよ。
という答えでした。
このことから、スペックで勝てなくても「できない」とは言わずまずは要求に沿って動いてみる姿勢と柔軟さが評価されたのだと思います。
たしかに実際執事になってみて思うことは『いや、それやったことないです…』ということが多いのです。
それでも自分で調べ、チャレンジすることでできることは増えていきます。そういった人材を求めていたのかもしれません。
謙遜をしすぎないこと
これは日本人にありがちなことのひとつだと思います。
謙遜をし続けていたある日、ストレートにこう言われました。

きみはよく謙遜をするが、やめたほうがいい。
それは私に対して失礼だよ。
過度な謙遜をするとかえってお金持ちの心証を悪くしてしまう可能性があります。
主人は『自分がいいと思ったものに価値がある』という価値観をお持ちです。
お金持ちは庶民と比べて高品質なものを目にする機会が多いのです。バレエやクラシックでも、世界トップクラスのものを生で聞き、本物の美術品や世界に数点しかないような宝石を目にしたり、とにかく見ているものの質が違います。
そんな方だからこそ『これは良い、悪い』という判断がとても高い次元でできるのだと言います。
つまり、そんな方の賛辞を謙遜するというのは『あなたの判断は間違っています』と否定していることにつながるのです。
返事が早いこと
今回の要素で一番重要なポイントはここです。
私が執事になることができた決定的な理由は、単純に他の人よりも返事が早かったから、です。
私の他にも一流のホテル、レストラン、美容サロンの方などにも声をかけていたようです。それでも私がいまの主人の執事になることができました。
主人をはじめお金持ちの方々というのはほぼ例外なく忙しい方が多いです。それも庶民のような忙しさではなく、自分の興味関心を満たすための用事が目白押しです。
そのため、何か用事を済ませようと思ったら即決即断で終わらせていきます。逆にすぐに済まないようなものはどんどん切り捨てていきます。
そのため、執事を雇おうと思って声をかけてくれたとしても、その場でリアクションしない限りは忘れ去られます。
彼らお金持ちは『絶対になくてはならないもの』というのがほぼありません。すでにお金においてゴールしているため、大抵のものは『それでなくてはならない』ということがないのです。
例えば、お買い物の際に並ばされたり、在庫がなかったりするだけでも買う気が無くなることがあります。並ぶ時間や取り寄せて待つ時間がストレスになるため、そうなのであれば高くても並ばず、いつでも商品が揃っているところでお買い物をされます。
もちろん、これは執事になっていて主人やそのまわりの方々を見て思ったことのため、当時の私がそれを計算して早く返事をしたというわけではありませんでした。
本当にたまたま私が一番返事が早かっただけです。
でもその差が執事になれるかどうかを分けたのだとしたら、即答する、というのはとても大切なことのように思います。
まとめ
執事という仕事は日本では珍しい仕事です。
しかし、今後その需要は高まっていくように感じます。主人のお知り合いの方でも、執事を探していたり、会社の秘書を自分の執事のような形で使っている方もいます。
またなぜかこの仕事をはじめてから、プライベートで知り合った人からも『もしいまのところを辞めることになったらうちに来ない?』と言われることもありました。
潜在的な需要はあるはずなので、そういう人材を求めている人がいることを知って、チャンスが来たら即返事ができるようにしておくと近道になるかもしれません。
何度でも言いますが、このような巡り合わせをモノにする一番重要なことは即返事をすることです。これだけで人としてのスペック差が簡単にひっくり返るので覚えておいて損はないと思います。
執事に向く人や執事になった後のメリットなども書いていきますので参考になればと思います。
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