なぜ執事をつけるのか

お金持ちや社長といったひとたちがなぜ秘書、アシスタント、執事をつけるのか。様々な理由があると思いますが、その一例という形でご紹介します。

秘書、アシスタント、執事、番頭…等様々な呼び方はありますが、やっていることは基本的にいっしょだと思います。

一口にまとめてしまえばこれらの仕事は『雑務』だと思っています。(あくまで私の個人的な意見です。)

私が仕事としてやっていることは特別なスキルが無くてもできます。言ってしまえば、だれでもできますし、私がいなくてもなんとかなることも多いです。

勿論世の中には、超有能な執事がいて、その人自身がいろんなスキルを習得したスペシャリストということもあると思いますが、少なくとも私はまだお目にかかったことがありません。

執事のいる意味

雇われた当初、主人に「日本にも執事をしている人というのは多いのですか?」と聞いてみると

主人
主人

執事と呼ぶのかアシスタントと呼ぶのか秘書と呼ぶのかはわからないけれど、大体のお金持ちは付けていることが多いよ

そもそもこの時点で、私自身執事という仕事がなにをやるかよくわかっていなかったので(そうか、秘書のようなものか)と思ったわけですが。秘書といえば社長の側仕えのイメージがあるので、たしかに結構な人数がいそうだなと思いました。

常々秘書という仕事に疑問があった私は主人に聞いてみました。「秘書がいないと仕事に支障をきたす、ということは基本的にないように思うのですが、それに対してお金を払うのはなぜですか?」と。

主人には苦笑いされましたが、

主人
主人

有能な秘書やアシスタントがいるだけで、仕事に使う時間を節約できるからちゃんと意味があるんだよ。

とても当たり前のことを聞いてしまって恥ずかしいなぁと思っていたのですが、そのあと主人が言ったことがとても印象的でした。

主人
主人

でもそれ以上に秘書、アシスタント、執事というものには重要な意味があって、その仕事をしてくれる人がいたほうが物事のクオリティが上がるんだよ。

いまいち意味が分かるような分からないような感じだったので、詳しく聞いてみるとどうやら『お金を持ったり、肩書がついたりするとまわりの人がマメに連絡できなくなるから、間に入ってくれる人がいたほうがきちんと物事が進められる』というようなことのようです。

富裕層であることの弊害

以前時計の修理を出した時の話を教えてもらいました。

時計が壊れてしまったので、修理に出したが全然戻ってこない。最初は2週間という話だったが2週間経っても連絡が来なかったというのです。こちらから電話をしてみると

担当者から「大変申し訳ありません…。修理部品の在庫がなく、取り寄せていてそれの目途が付き次第連絡をしようと思っておりました。」

とのこと。

修理が間に合わないなら、すぐに連絡をくれればよかったのに、と伝えたそうですがその担当の方曰く「〇〇様にご連絡を差し上げる以上は、きちんと日程の目安を出してから出ないといけないと思いまして…」とのこと。

もちろんこの対応自体の問題ということもありますが、気持ちはわかります。

私は相手が偉い人やすごい人だと気後れしてしまって、気軽に連絡ができなくなります。普通に考えればこまめに連絡したほうがいいのはわかるんですが、なんとなく気後れしてしまうのです。

いまでもこの時計屋さんには時計の修理をお願いすることもありますが、私相手だとバンバン連絡が来ます。これは他のところでも意外とそうで、窓口が私に代わってからのほうが連絡の回数は明らかに増えます。

もちろん一流のサービスのところはそんなことないのでしょう。でも少なくとも日本だと割とよくあるようです。

最後に

意外なことから執事の存在意義のひとつが分かりました。また初期にこのことを聞いていたおかげで、主人の交友関係のアシスタントの方には遠慮なく連絡をしまくっています。

結果的にそのほうが予定の変更や、新しい予定のことなどを早く知ることができるのでスケジュールの修正や把握がスムーズになりました。

忙しい人だから、いろんな人から連絡もらってるから…という妙な気の遣い方をしていたこともあった私ですが、まったく意味のないことだったなと今だとわかります。当時、いわゆるビジネス書でも似たようなことが書いてありましたが、そのときはあまり響かなかったので忘れていました。

当たり前で大事なことですが、私のような人間には実感しにくいことだったのでとても良いお話となりました。

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